タイミングベルト用語集


タイミングベルトの基礎用語

◆背ゴム
タイミングベルト又はVベルトの心線の背面側に用いるゴムのこと。
背面にアイドラー等を使用する際には、摩耗を防ぎ、外部からの衝撃なども緩和します。
当社では、柔軟で、耐久性、耐摩耗性に優れたクロロプレンゴム(CR)を標準としています。
◆歯ゴム
タイミングベルトの歯を構成するゴムのこと。
激しい繰り返し負荷に耐えるため、背ゴムと一体成型され、心線及び歯布(帆布)と強固に接着されています。
◆心線
繊維のより糸又は鋼索などの線状のものを用いる心体のこと。
負荷に対してベルト長さを維持する役目と共に、プーリ上での曲げに対する耐屈曲性も要求されます。
当社では、寸法安定性に優れたガラス心線を標準としています。
◆歯布(帆布)
タイミングベルトの歯面側を覆う布のこと。
プーリ歯と接触する部分でもあり、耐摩耗性を要求される。
当社では、ナイロン帆布に歯ゴムとの接着強化のための特殊処理を施した帆布を標準としています。
◆バックラッシ
タイミングベルトとプーリを噛合わせた時の、ベルト歯面とプーリ歯面間の隙間のこと。
かみ合い時の干渉を防ぐことを目的として設定されています。
◆歯ピッチ
タイミングベルトのピッチ線上の隣接する歯の中心間距離のこと。
ベルトタイプによって、インチ系列のものと、ミリ系列のものがあります。
◆ピッチ線
ベルトのピッチ面が側面と交わってできる線のこと。
ベルトにおけるピッチ線は心線の中央部にあり、プーリにおけるピッチ線は歯先円直径(OD)の外側(PD)にあります。
◆PLD (ピッチラインデファレンシャル)
タイミングベルトにおけるピッチ線と歯底面の距離で、プーリにおいてピッチ円直径(PD)と歯先円直径(OD)の半径方向の距離の差のこと。
PLD=(PD-OD)/2で求める事が出来ます。
◆ジャンピング
ベルト歯がプーリ歯に乗り上げ、一瞬のうちに次の歯溝に移動する現象のこと。
通常ベルトのゆるみ側から張り側に向けて発生し、取付け張力が低かったり、過大な負荷が加わった場合に発生します。
ジャンピングが発生すると、心線強度の低下(心線切断)やベルト歯のせん断などの早期損傷の原因となります。
当社では、ジャンピングが発生する時の最大トルクをジャンピングトルクと呼んでいます。
◆ベルト幅補正係数 (Kw)
ベルト幅が標準幅以外の時に使用する補正係数のこと。
ベルトの持つ総伝動容量(Pt)を算出する際に用います。
ベルト幅補正係数は、標準幅に対して、広い程その値は大きくなり、細くなると小さくなります。
◆ベルト長さ補正係数 (KL)
ベルト長さが標準長さ以外の時に使用する補正係数のこと。
ベルトの持つ総伝動容量(Pt)を算出する際に用います。
ベルト長さ補正係数は、標準長さに対して長い程大きくなり、短いほど小さくなります。
これは、同一条件で使用したときの、ベルト長さの違いによる寿命への影響度を考慮しています。
◆ベルト単位質量
ベルトの単位寸法あたりの質量のこと。
ベルト1本当りの総質量を算出したり、ベルトの張力測定の際に用いる基準値となります。
当社では、各ベルトタイプの幅1mm、長さ1m当りの質量(g)であらわしています。
◆フランジ
プーリの両側(もしくは片側)に取付けるベルトの脱落防止用のツバのこと。
プーリへの取付方法としては、ポンチカシメや溶着(樹脂プーリの場合)があります。
タイミングベルトの走行性を維持するために必要不可欠ですが、プーリレイアウトによっては、特定のプーリにのみフランジ加工することで、走行性を維持できます。

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